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別れて向かう先 もしくは 人を思うということ [Life]

今日はありがとう。
じゃ、ここで失礼致します。
みたいな挨拶を交わして道ばたで別れる。
僕が角を曲がるまで相手はそこでじっと佇み、見送ってくれている。
それは分っているけど(から?)振り向かない。
振り向けば手を振られるし、僕も振る。
そうすると、これから向かう先へ体の向きを戻すには、どうすれば良いか分らなくなる。
結果、後ろ歩きのままいつまでも手を振っている。
しまいには立ち止まって、相手が自宅へ戻るなり何なり、
見えなくなるまで結局自分が見送るはめになる。
どうしたって寂しいのだ。そんなのは嫌だ。
だからさっさと向かう先を目指して姿を消す。
寂しさは全て相手に押し付けて消えるのだ。せこい男だ。


「あの人、一生懸命手を振ってくれてたよ。何で挨拶しないのよ!」って
一緒にいた女性に怒られた事がある。
ものすごい礼儀知らずみたく怒られて…アレはこたえたなぁ。
後日、手を振ってくれていた姐さんには「あの後、怒られたよ。悪かったね。振り向けないんだよ、ごめんな。」と、詫びを入れた。
姐さんはあっさり「そんな事は、解ってるって。」と笑った。

ある日、また姐さんと逢う機会があった。
別れ際「ごめんな、振り向かないから見送らないで良いよ。」と言った。
解ってるってと笑って手を振った。 じゃ、また。
けっこう歩いてから何気なく振り返ったら、
遠く都会の雑踏の隙間に、あでやかな和服の姐さんの後ろ姿が見えた。
まだ見送ってたんだ。と思うと自分の小ささが凄く嫌になった。
姐さんが角に消えるまで見てた。 

もう何年も会ってない姐さんから「関西に帰ってきたぞ」ってメールを今年になってもらった。
そろそろ会いに行こう。で、ちゃんと送られたら手を振って応えるんだ。
「何だよ!振り向くのかよ!」って突っ込まれそうだけど。

姐さんったって 2タマ は、はるかに年下なんだけどね。


あの時、怒ってくれたよしこちゃん。
残念だけど僕は未だに君に惚れてる。きっと一生想い続けるだろう。
あなたほど僕が解っている人はいない。
だから僕は自分のことをもう誰にも話さない。

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