SSブログ

アヒルと鴨のコインロッカー まず小説 そして長い長い躊躇の後 映画。 [Books]

「一緒に本屋を襲わないか」
仙台に引っ越してきたその日に、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさんでいた椎名は、隣人の河崎にそう誘われる…。
アヒルと鴨のコインロッカー.jpgアヒルと-DVD.jpg

アヒルと鴨のコインロッカー これは、間違いなく、まず原作ありきなのです。
順番は絶対に小説からです。映画を先に見てしまったら小説を読む理由の大きな部分が無くなります。
僕は、“張られた伏線が、ある一点でパキパキと結ばれて行く”感 に心を奪われてしまって、伊坂幸太郎の作品を読み続けました。中でもこの本が一番のお気に入りです。
切なくて切なくて胸が痛くてたまりません。

この小説には文章だからこその伏線がしっかりとあります。読み終わってから何度もページを繰り直すほどに文章の伏線が張られています。
そしてそれを知ると、「映像化はムリ」と間違いなく思うでしょう。
それでも、それがどう映像化されているのか観たくて仕方が無くなってくるのです。まさか激しい原作レイプにはなっていないだろうなと心底心配しながら…。
そして、アヒルと鴨のコインロッカーをやっと決心して観ました。そして納得するのです。なるほど、脚本をうまくまとめたもんだと。
文字によるミスリードを、みごとに映像によるミスリードに置き換えてあるのですよ。もちろんそこには俳優陣の演技力も含まれているのですが…。
小説ほどの劇的な走馬灯現象は無いものの、映像ならではのしっかりとした視覚的解説付きで納得させられます。

ですが、僕はいつも思います。
映像化って必要あったんだろうかって。
別にこの映画を否定している訳では無いです。この映画はこの映画で好きです。
でも小説の方が映像よりも遥かにビジュアル的な時もあるのです。

ネタばれはこの小説にとって最大のダメージなので、これ以上は何も書けません。
ただ、伊坂幸太郎の作品は主人公だと思っていた人物が、実はストーリーの語り部としての存在であり、主人公は別の所に存在することが多いような気がします。

新人作家を好きになると困るのは、読む本があっという間に無くなってしまう所ですね。



nice!(0)  コメント(1) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 1

マスター パンダ

番頭さん、こんばんは!

thanks for report. I will try find it to take a look...

お休みなさい。
by マスター パンダ (2008-08-18 23:16) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。